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起業まもない会社経営者必見!赤字法人でも銀行で融資を受ける方法や審査通過のポイントを解説

2024年8月26日

銀行融資の審査通過ポイント_小さな会社の資金調達

「自己資金は不足しているが、会社を設立したい(事業を始めたい)」という希望を持ち、なんとか会社設立にこぎつけたものの、事業の安定が難しく、運転資金の確保に苦しんでいる起業家は多いのではないでしょうか。

開業後に経営が赤字の場合、融資が受けられないと考えていませんか?

今回は、起業直後の事業者が資金調達を行う際に、最初に検討することが多い銀行融資について解説します。

代表的な銀行融資は7種類!銀行融資の種類とは!?

プロパー融資

プロパー融資とは、公的機関の保証協会の保証を受けずに、金融機関が自らの責任で貸付を行う融資です。銀行と事業主が直接取引を行う融資方法を指します。
審査は非常に厳しいですが、融資金額の上限はなく保証協会へ保証料もかからずに、1か月程度で融資を受けることができます。

  • プロパー融資の特徴
融資利率1~3%
融資金額上限無し
融資までの期間1か月程度
担保・保証人不要(条件によっては必要)
審査厳しい

制度融資

制度融資とは、地方自治体・金融機関・信用保証協会の3機関が連携して提供する融資です。個人事業主や中小企業、小規模事業者の資金調達を支援することを目的としています。

制度融資を利用するには、まず地方自治体で融資あっせんを申し込み、その後、金融機関に対して融資の申し込みを行います。次に、金融機関から信用保証協会に保証を申し込みをします。このように工程が多くなるため、融資までに3か月程度かかることがありますが、低金利かつ長期間で融資を受けることができます。

制度融資は、「利子及び信用保証料の補助」で「金利」や「信用保証料」の補助を受けることができる市町村が多数あります。

  • 制度融資の特徴
融資利率2~3%前後
融資金額上限4,800万円/7,200万円
融資までの期間3か月程度
担保・保証人不要(条件によっては必要)
審査やや厳しい

信用保証付融資

信用保証協会は、信用保証協会法に基づき、中小企業や小規模事業者の資金調達支援を目的に設立された公的機関です。
中小企業等や小規模事業者が金融機関から融資を受ける際、信用保証協会が中小企業などの債務を保証すると、金融機関からの融資を受けやすくなります。
金利以外に、借入金額や借入期間などに応じた保証料を事業者が負担しなければなりませんが、保証人や担保が原則不要で、実績が少ない事業者でも融資を受けやすいことが特徴です。

  • 信用保証付融資の特徴
融資利率2%前後 ※金利の他に信用保証協会へ支払う保証料が必要
融資金額上限8,000万円程度(担保無の場合)
融資までの期間1か月程度
担保・保証人不要(条件によっては必要)
審査少し厳しい

不動産担保融資

不動産担保融資とは、不動産(土地・住宅等の建物など)を担保に利用できる融資です。金融機関は、債務者が返済出来なくなった際に不動産を売却して融資金を回収するため、担保にする不動産へ抵当権を設定します。
不動産担保融資は、担保を失う可能性があり、融資までに3週間程度かかりますが、高額の融資が受けられ、低金利かつ長期間の返済が可能です。

  • 不動産担保融資の特徴
融資利率2%前後
融資金額上限5億円
融資までの期間1か月程度
担保・保証人不動産担保が必要
審査普通

売掛債権・動産担保融資(ABL)

動産担保融資とは、所有する機械設備や商品在庫などの動産を担保として利用できる融資です。この融資には、支払期日が到来していない売掛債権を担保とするものも含まれます。
機械の資産価値や売掛先の信用力調査のため、審査時間は2週間程度かかり、赤字決算の場合は利用は難しい傾向があります。

動産担保融資は、不動産以外の資産を担保にできるため、中小企業におすすめの資金調達方法です。

  • 売掛債権・動産担保融資の特徴
融資利率2%前後
融資金額上限2億円前後(金融機関による)
融資までの期間2週間程度
担保・保証人売掛債権、動産担保が必要
審査普通

参考記事(きくじろう)

売掛金担保ローン(ABL)とは?ファクタリングと何が違う?

売掛金担保ローン(Asset Based Lending, ABL)とは、企業が売掛金(売掛債権)を担保にして資金を調達する手法です。中小企業や個人事業主にとって有用な資金調達手段である売掛金担保ローンの仕組みや利点を掘り下げて説明しています。

ビジネスローン

ビジネスローンとは、使途が事業資金に限定されているローン商品です。
公的融資と比べて金利は高くなりますが、担保や保証人は不要で1週間程度で融資を受けることができます。そのため、短期間で利用する場合や、少額で利用する場合におすすめの資金調達方法です。

  • ビジネスローンの特徴
融資利率3~15%前後
融資金額上限1,000万円前後(金融機関による)
融資までの期間1か月程度
担保・保証人不要(条件によっては必要)
審査普通

参考記事(きくじろう)

ビジネスローンとは?デメリットはある?

ビジネスローンは事業の運営に必要な資金を調達するためのローンです。今回は、ビジネスローンの基本から利用する際のデメリットまで、ビジネスローンついて詳しく深堀していきます。また、適切な資金調達を行うためのポイントもお伝えします。

カードローン

カードローンとは、利用可能な限度額が設定され、金融機関が発行する借入専用のカードを使って、ATMなどで繰り返し現金の出し入れを行えるローンです。
カードローンは、審査がスピーディで使い道は自由ですが、上限金利が高く、繰り返し利用ができるため返済が長期化する恐れがあります。そのため、急を要する場合におすすめの資金調達方法です。

  • カードローンの特徴
融資利率1.5~15%前後
融資金額1,000万円前後(金融機関による)
融資までの期間1週間程度
担保・保証人不要
審査普通

創業間もない会社や赤字でも銀行融資は検討できる!種類別に審査通過のポイントを解説

プロパー融資・制度融資・信用保証付融資の審査通過ポイントとは?

紹介してきた銀行融資の審査では、会社のこれまでの実績や安定性が評価されるため、創業間もない会社や赤字決算の場合は、融資を受けることが難しい傾向があります。

しかし、創業当初や赤字決算だからといって、必ずしも諦める必要はありません。

創業間もない会社や赤字企業が審査を通過するためにあるといい要件

  • 担保を提供できる
  • 保証人を確保できる
  • 実現可能なビジネスプランを立てる
  • 自治体の融資方針に沿った事業計画を作る(制度融資の場合)

<ポイント1>不動産担保融資を検討してみる

前述の「担保を提供できる」要件とも重複しますが、具体的には土地や建物などの不動産を担保とすることで、会社の実績ではなく不動産評価に基づいた融資を受けることができます。

<ポイント2>実現可能なビジネスプランを立てる

担保や保証人となると少しハードルは高いかもしれませんが、「実現可能なビジネスプラン」を立てることについては取り組みやすいと言えます。具体的には、事業が今後継続できることを示す「事業計画書」と現実的な「損益計画」を作成し、熱意をもって銀行の融資担当者へ説明できれば問題ありません。

実際に、弊社は創業間もない赤字決算の時期に「信用保証付融資制度」を利用して銀行から融資を受けることに成功しています。適切な「実現可能なビジネスプラン」を立てることで、赤字が一時的なものであることを証明できれば、銀行から低金利の融資を受けられる可能性が高いと言えるでしょう。

弊社では「実現可能なビジネスプラン」作成のお手伝いをします。まずは、無料相談フォームからお問い合わせください!

<ポイント3>自治体の融資方針に沿った事業計画を作る

「制度融資」限定の話になりますが、各自治体で社会課題の解決に繋がる事業を支援するための融資制度が用意されています。そのため、ご自身の会社所在地を管轄する自治体の「制度融資」について調べてみるのも良いでしょう。

<ポイント4>起業間もない会社や赤字会社におすすめ!ビジネスローン・カードローンを検討してみる

これまでは、会社の実績や信用、事業の将来性、担保の有無などが審査の焦点となる融資制度を紹介してきましたが、比較的小口であればビジネスローンやカードローンを検討してみるといいでしょう。

銀行のビジネスローンやカードローンは、プロパー融資や信用保証付融資とは異なり、ノンバンク系企業が保証会社となって、銀行を窓口に融資を行います。最大の違いは、代表者個人や事業主個人の信用情報と個人スコアリングに基づいて審査が行われることです。そのため、会社の実績がなくても個人の信用で融資を受けやすいというメリットがあります。
また、金融機関によっては、決算書や収入証明書の提出なしで500万円程度まで融資が受けられるローン商品も存在するため、一つの選択肢として検討してみると良いでしょう。

銀行融資を受けるための事前準備と手続きの流れ

準備

金融機関から融資を受けるためには、事業の健全性や将来性を証明する資料を用意することと、資金の用途を明確にすることが非常に重要です。
返済能力があるという信用を勝ち取るために、事業計画書等の作成はできるだけ詳細に作成するように心掛けましょう。
金融機関から様式の指定はないので、弊社では日本政策金融公庫が公開している様式を使用して作成することをおすすめしています。

手続きの流れ

  • 金融機関の相談窓口へ事前相談
    • 融資の申込みに行く前に、金融機関へ事前相談をする必要があります。その際には、金融機関の担当者へ会社パンフレットや事業計画書、決算書を提示し、融資が必要な目的を明確に説明しましょう。
  • 必要書類の準備
    • 審査に使用する書類を準備します。必要な書類は金融機関によって異なる場合がますが、一般的には以下の書類が求められます。事前相談の際に予め確認をすると良いでしょう。
      • 登記簿謄本
      • 定款の写し
      • 印鑑証明書
      • 納税証明書
      • 決算書(損益計算書、貸借対照表)
      • 確定申告書
      • 資金繰り表
      • 事業計画書
      • 試算表
      • 借入状況一覧
  • 申込、審査
    • 融資の申込書と必要書類を金融機関へ提出します。審査は、金融機関の担当者や審査部門の複数人によって、提出書類から事業の将来性などが評価されます。金融機関から追加の質問や書類の提出を求められることもありますので、迅速に対応できるよう準備しておきましょう。
  • 契約
    • 融資条件に同意した場合、融資契約を締結します。契約書類に不備が無いことを確認後、契約の締結となり金融機関から融資を受けられます。融資を受けた後は、定められた返済条件をもとに融資額を返済します。

(参考)銀行融資以外の資金調達方法とは?

銀行融資以外で資金調達をする方法には、以下のような選択肢があります。詳細については別の記事で解説しているため、参考にしてみてください。

  • 融資(日本政策金融公庫、信用保証協会)
  • 助成金・補助金
  • クラウドファンディング
  • 出資
  • ビジネスコンテスト
  • ファクタリング

参考記事

起業したての資金調達方法6選_小さな会社の資金調達
起業間もない会社が銀行借り入れ以外で資金を調達する方法とは

創業間もない頃は手元の資金に余裕がなく、目先の支払いや事業計画通りの売り上げがあがっていないなど資金関連で課題や悩みを抱える経営者は多いでしょう。
本記事では、事前に知っておくべき6つの資金調達方法を紹介します。

まとめ

今回は、銀行融資の種類と創業間もない会社や赤字会社が融資を受ける際のポイントを解説しました。
起業間もない会社や赤字会社が銀行から融資を受けることは簡単ではありませんが、だからといって諦める必要はありません。この記事を参考にして、融資の申込みをチャレンジしてみてください。
資金繰りにお困りの際は、弊社で柔軟に資金調達方法をアドバイスさせていただきます。

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  • この記事を書いた人

小さな会社の資金調達 編集部

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