売掛金担保ローンについて
売掛金担保ローンとは
売掛金担保ローン(Asset Based Lending, ABL)は、企業が売掛金(売掛債権)を担保にして資金を調達する方法です。売掛金とは、企業が提供した商品やサービスに対する未回収の代金のことであり、これを金融機関に担保として差し入れることで、融資を受けることができます。仮に期日内に返済ができなかった場合、金融機関は担保として差し入れた売掛金を回収します。これにより、企業は不動産などの大きな資産を担保にすることなく、資金の調達ができるのです。
この方法は、新規事業の立ち上げ、在庫の購入、設備投資、従業員の給与支払いなど、様々な資金ニーズに対応するために活用されています。
売掛金担保ローンの利点
売掛金担保ローンの利点としては、特に中小企業の利用に適しており、以下のような点が挙げられます。
- 不動産などの大きな担保を持たなくても利用可能である。
- 売掛金が担保となるためリスクを抑えて融資を受けられる。
- 急な資金需要やキャッシュフローの改善に迅速に対応できる。
売掛金担保ローンの欠点
一方で、欠点としては、低額の売掛金に対しては登記手数料などが比較的高くなることがあります。
ファクタリングとの違い
ファクタリングと売掛金担保ローンは似ていますが、以下の点で異なります。
売掛金担保ローン | ファクタリング | |
---|---|---|
カテゴリ | 売掛金を担保にした借入 | 売掛金の売買 |
利用額 | 債権額以上も利用可能 | 債権額まで利用可能 |
費用 | 残高に対する利息が発生 | 利用したことに対する手数料が発生 |
審査スピード | 2~3週間程度 | 最短即日 |
- カテゴリ
ファクタリングは、売掛金を金融機関に売却することで現金を得る方法です。借入れではなく、売掛金を売ることで資金を調達します。売掛金担保融資は、売掛金を担保にして融資を受ける方法です。借入れに分類されます。 - 利用額
ファクタリングでは、調達できる資金は買取される売掛金の額に限られます。例えば、売掛金が100万円なら、最大で100万円の資金を得ることができます。売掛金担保融資では、利用者の信用力が高いと判断されれば、担保として差し入れた売掛金を超えた資金も調達できる可能性があります。例えば、売掛金が100万円でも、信用力が高ければ120万円の資金を調達できる場合があります。 - 費用
ファクタリングでは利息は発生せず、手数料を支払います。この手数料は、売掛金の買取に対する対価として発生するもので、融資とは異なります。売掛金担保融資ではお金を借りるため、利息が発生します。こちらは、通常の融資と同じ仕組みです。 - 審査スピード
資金が調達されるまでの時間はファクタリングの方が圧倒的に早いです。売掛金担保融資は、一般的に2~3週間かかります。
まとめ
売掛金担保ローンは、企業が売掛金を担保にして資金を調達する方法です。売掛金を担保にすることで、企業は不動産などの大きな資産がなくても資金調達できるため、中小企業におすすめです。ファクタリングとの違いなどを十分に理解した上で検討しましょう。