資金調達と一口に言っても、多額の資金が必要な場合や、急いで資金を準備しなければならない場合など、事業者が資金を調達する理由や目的は様々です。中には、融資の審査がなかなか通らないので仕方なくファクタリングを選ぶ方や、急いでいるのでファクタリングを利用せざるを得ない方もいらっしゃるでしょう。
しかし、融資とファクタリングの特徴や違いを十分に理解していない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、融資の中でも国の融資制度である公的融資に焦点を当て、公的融資とファクタリングの違いを比較していきます。
※ファクタリングについての詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。
公的融資の概要
公的融資とは
公的融資とは、政府や自治体が提供する融資のことです。法人向けと個人向けの融資があり、事業支援(創業支援)・生活支援・教育支援などを目的としています。民間の金融機関の融資と比較して金利が低く、審査に通りやすいため、資金調達が難しい中小企業やこれから起業をする人にとって有効な資金調達手段です。
公的融資の利用条件(日本政策金融公庫の場合)
公的融資は、日本政策金融公庫からの融資が代表的です。
日本政策金融公庫の融資は、利用できる金額の上限や返済期間が設定されており、資金の使用用途によって異なります。
運転資金 | 設備資金 | 特定設備資金 | |
---|---|---|---|
金額 | 4,800万円 | 4,800万円 | 7,200万円 |
返済期間 | 5年以内(特に必要な場合7年以内)<うち据置期間1年以内> | 10年以内 <うち据置期間2年以内> | 20年以内 <うち据置期間2年以内> |
金利 | 基準金利 | 基準金利 | 基準金利 |
詳細については、以下の日本政策金融公庫の一般貸付のページをご確認ください。
公的融資のメリットとデメリット
メリット
- 金利が低い
- 中小企業や起業予定の人でも利用しやすい
- 担保や保証人が不要な場合がある
デメリット
- 審査に時間がかかる
- 事業計画などが厳しくチェックされる
- 日本政策金融公庫の場合には保証人等が必要になる
公的融資とファクタリングを比較
公的融資とファクタリングの違い
公的融資は低金利で利用することができますが、借入状況や財務状況等の総合的な判断をされるため、審査が厳しく時間がかかります。一方、ファクタリングは審査が速くて簡単ですが、手数料が高くなる傾向があります。以下の表に、公的融資とファクタリングの違いをまとめました。
公的融資 | ファクタリング | |
---|---|---|
金額 | 1千万円~3億円 | 売掛金の金額 |
金利 手数料 | 年率1~5% | 2社間:10~30% 3社間:1~10% |
審査期間 | 1~2か月 | 最短即日 |
担保 | 要(場合により) | 不要 |
保証人 | 不要 | 不要 |
審査の難易度 | 高い | 低い |
信用情報機関への登録 | あり | なし |
まとめ
今回は、公的融資をファクタリングとの違いにも触れながら説明してきました。資金調達においては自身の状況や目的に応じて、最適な選択をすることが大切です。急いで資金が必要な場合はファクタリング、時間には余裕があり低金利で資金調達をしたい場合は公的融資がおすすめです。
それぞれの特徴を理解した上で資金調達を行い、事業の成長に繋げていきましょう。