担保提供者と連帯保証人の違い
担保提供者とは
担保提供者は、融資などの債務を担保するため、融資を受けた債務者以外で担保を提供する人のことです。「物上保証人」とも呼ばれ、借り手が返済できなくなるリスクを金融機関が軽減するために設定されます。連帯保証人とは異なり、債務を直接負うわけではなく、提供した担保以上に返済する義務はありません。ただし、債務者が支払不能になった場合、担保提供者は担保を手放すことになります。
(参考)連帯保証人とは
連帯保証人とは、債務者と共に債務を負う立場です。借り手が返済不能に陥った場合、連帯保証人には返済義務が課せられます。金融機関によっては、担保提供者に連帯保証人を求めることがあるため、事前に条件を確認することが重要です。
担保提供者の設定条件
申込人との関係性
担保提供者として認められる範囲は金融機関ごとに決められています。金融機関によって担保提供が認められる範囲が異なりますが 、主な対象者は以下になります。
- 配偶者
- 子ども
- 両親
- 兄弟・姉妹
- 祖父母
- 事実婚
- 同姓のパートナー
- 役員(法人の場合)
- 実質的な経営者
年齢
担保提供者の年齢上限は、法律で具体的に定められているわけではありませんが、高齢の担保提供者が不動産担保ローンを申し込む際には、支払い能力や意思判断能力がしっかりしていることを証明するための追加審査があります。これは、高齢者の意思判断能力が低下していることを悪用し、本人の意志に反して担保設定を行う悪意のある第三者から保護するための措置です。
登記に関する影響
- 「不動産登記簿」に借入の内容が登録される
不動産登記簿は第三者であっても取得が可能なため、借り入れの事実を知られる可能性があります。また、金融機関での融資を検討する際にも注意が必要となります。 - 手間と時間がかかる
登記済権利証(または登記識別情報)や印鑑証明書の提出、司法書士や金融機関などが用意する抵当権設定の申請用紙に、実印での押印が必要となります。
まとめ
不動産担保ローンにおいては、担保提供者の役割とリスクを理解することが重要です。特に高齢者の場合は、意思判断能力の確認が審査基準として重視されます。不動産の提供は金融機関に対する信用力を高める一方で、融資に伴う責任が大きいため、担保の提供や連帯保証に抵抗を持つ人も少なくありません。
担保提供者には、資金用途や必要性、返済計画、リスクなどを十分説明し、納得してもらった上で協力を仰ぐようにしましょう。