資金調達を考えている方の中には、無担保ローン(フリーローンやカードローンなど)では希望金額が調達できない、または審査が通りにくいと感じている方もいるでしょう。無担保ローンは保証人や不動産などの担保が不要で手続きが簡単にできる分、高額融資が難しい傾向があります。
そのような場合、不動産担保ローンが有効な資金調達方法となります。不動産担保ローンは、土地や住宅などの不動産を担保にして借り入れができる金融商品です。担保を提供することで金融機関の未回収リスクが軽減されるため、高額融資を低金利で利用しやすくなっています。このため、大きな資金が必要な場合において、より有利な条件での融資が実現できる可能性があります。
この記事では、不動産担保ローンの概要やそのメリット、デメリットについて解説します。
不動産担保ローンの概要
借入金額
数百万円から億単位の借り入れも可能です。
担保とする不動産の評価額の約7割が借入可能額の目安で、この割合を担保掛目といいます。
返済期間
一般的に1年から30年、最大で35年の返済期間が設定されます。
返済期間が長いほど月々の返済額を抑えられます。
金利
不動産を担保にするため、無担保ローンよりも低金利に設定されています。
資金使途
資金の使用用途は原則自由です。事業資金、教育資金、医療費など、さまざまな目的で利用できます。
ただし、事業者向けの不動産担保ローンに関しては、事業資金として使用する必要があります。
担保の種類
不動産担保ローンでは、土地や(住宅用地、駐車場)建物(一戸建て住宅、区分マンション、一棟マンション、一棟アパート)などを担保にすることができます。これらの不動産は、その市場価値や状態に基づいて担保評価が行われ、融資額や条件が決定されます。
担保の所有者
自分名義の不動産だけではなく、不動産所有者の承諾があれば家族名義や法人名義の不動産も担保にできる場合があります。
不動産担保ローン メリット・デメリット
メリット
- 高額の利用ができる
不動産を担保にすることで、無担保ローンに比べて高額の融資が可能になります。無担保ローンの融資額は10万円~800万円が一般的ですが、不動産担保ローンでは億単位の借り入れができるケースもあります。 - 低金利で利用できる
不動産担保ローンは無担保ローンに比べて金利が低いことが特徴です。不動産を担保にすることで金融機関のリスクが減るため、低金利に設定される傾向があります。また、低金利になることで返済総額が軽減されます。 - 毎月の返済額を抑えられる
不動産担保ローンは返済期間を長く設定することができます。金融機関によって異なりますが、最大35年で設定ができるため、月々の返済額を抑えられます。
デメリット
- 不動産を失うリスクがある
不動産を担保に融資を受ける場合、返済不能になった際には不動産が差し押えられ、売却されるリスクがあります。担保付の融資を利用する際は、担保を失う可能性があることを忘れないようにしましょう。また、親族などから担保を提供してもらった場合は、その担保提供者にも同様のリスクが生じます。 - 契約には費用と時間がかかる
金融機関や契約金額によって異なりますが、契約時の手数料(登記費用や印紙代など)で、数十万円かかるケースもあります。また、融資額が比較的高額になるため、仮審査で数日、融資には数週間かかることが一般的です。
まとめ
不動産担保ローンは、土地や建物などの不動産を担保にして高額の借り入れができる金融商品です。担保を提供することで、無担保ローンよりも低金利で長期間の利用が可能となり、無担保ローンでは希望通りの金額が調達できなかった方にも魅力的な選択肢となります。しかし、返済ができなくなった場合には、不動産を手放さなければならないリスクがあります。また、契約時には費用や時間がかかるため、利用する際には注意が必要です。
不動産担保ローンは高額な資金調達に有効な手段ですが、メリットとデメリットを十分に理解し、自身の状況と照らし合わせて最適な選択をすることが重要です。